子供の頃、母にこんなことを言われたことがあります。
「好きな本に出会うことは、親友と出会うくらい大事なことよ」
今になってこの言葉をちゃんと理解できた気がする今日この頃。
でも大切なのは、この世界に星の数ほど存在する本の中から ”親友” を見つけ出せるか、です。
「教育は、本は読めるが読むに値する本がどれかわからぬ人を大量に作り出した」
:G・M・トレヴェリアン[歴史家]
今話題の本が ”良い本”なのか?
ベストセラーの本が ”良い本” なのか?
実はそうではありません。
売れている本とは、良い本というより ”売れている本” です。
「なに当たり前のこと言ってんだ?」
…と思うかもしれませんが、これは紛れもない事実です。
良いですか、「売れている本」と「良い本」は別です。
考えてみてください。
本を出版しているのは出版社です。
出版社は本が売れないと業績が悪化しますよね?
だから多くの人にウケる本を作らなくてはいけません。
その結果、大衆に迎合するような本が大量に作られているのが現状です。
大衆は、本当に良いものではなく、ラクに欲を満たしてくれるものを求めます。
体に良いオーガニック食材や手間のかかる料理より、ついついファストフードやインスタント食品を食べてしまうように。
「良薬口に苦し」と言いますが、皆、苦いものはできるだけ手を出したくないんですよね。
だから薬は薄めて提供しないと、誰も飲んでくれません。
薬を本に置き換えるなら、薄めるのは「本の内容」というわけです。
だから「売れてる本」が「良い本」とは限らないんですね。
稀に「良い本」が売れることもありますが、やはり稀です。
これから本を買うときは、以上のことを理解した上で、どの本を買うべきか検討してみてくださいね。
遠藤ユウの図書館
この図書館では、遠藤ユウが読んできた本の中でオススメしたい「良い本」を集めました。
あなたの新たな ”親友” と出会いになれば嬉しいです。
【思考系】
クリエイティブの処方箋
ロイヤル・カレッジ・オブ・アーツで修士号を取得し、セントラル・セントマーティンズ・カレッジで15年に渡ってクリエイティブな思考法を教えているロッド・ジャドキンスというアーティストによって書かれた書籍。
世界各国で翻訳された、創造的思考(クリエイティブシンキング)を可能にする方法がまとめられた一冊です。
日本では紹介してる人がなぜか少ない隠れた名著。
遠藤ユウが18〜19歳頃に出会った本で、今でも何度も読み返している書籍でもあります。
ここで紹介する全て本に言えることですが、一回読んで終わりではなく、読み返すごとに新たな気づきと発見をくれます。
本の中身も読みやすく、1ページ目から順番に読まなくても良い構造が面白い。
適当に開いたページから学びが始まる名著です。
FIND YOUR WHY
コラムでも紹介したサイモン・シネックの著書。
自分の「WHY(美学、MSP)」の見出し方を実際に実践することを目的として作られた書籍です。
誰もがやる気いっぱいの気持ちで朝目覚め、1日の終わりに仕事の充実感で眠りにつく、そんな人生を送るためのゴールデンサークル理論の実践的な書籍ですね。
クラシックラウンジのコラムでも美学の作り方は解説しましたが、また別の視点で学ぶことができます。
次に紹介する『エッセンシャル思考』と相性が良いので、合わせて読むとさらに理解が深まるはずです。
この本で美学を見出し、エッセンシャル思考で美学に沿って生きるやり方を学びましょう。
Apple、Google、Facebook、Twitterのアドバイザーを務める著者、エリック・マキューン氏の著書。
2014年に「ニューヨークタイムズ」「WSJ」でビジネスベストセラーに選ばれた良書です。
本当に重要なことを見極め、それを確実に実行するための、システマティックな方法論を解説してくれます。
99%の無駄を捨て、本当に大事な1%に集中する方法とは…?
本書の中で答えが語られています。
この本を読むとき、僕はある言葉を思い浮かべます。
「Less is more」
(より少ないことは、より豊かなこと):ミース・ファン・デル・ローエ[建築家]
この「Less is more」の精神は、美学を体現しクラシックに生きるという芸術家的教育者の生き方と非常に相性が良いです。
芸術家的教育者にとって、「本質を見る」という姿勢はかなり重要なのです。
特にこの書籍の中で「全てはトレードオフ」という考え方はとても参考になりました。
サイモン・シネックの『FIND YOUR WHY 』とセットで読むとさらに理解が深まるので、参考にしてみてください。
全世界シリーズ累計4000万部突破のベスト&ロングセラーで、正しいお金の使い方(ファイナンシャル・リテラシー)を学べる本。
僕らはなぜか、お金の使い方について勉強する機会がありません。
なぜか学校ではお金についての授業がないのです。
こんなにも世の中を動かす大きな存在のはずなのに、(そしてお金に苦しむ人がこんなにも多いのに)どうしてお金について学ぶ機会がないのか、僕は不思議で仕方がありません。
本書は学校では決して教わることのできない正しいお金の使い方を学ぶことができます。
特に資産と負債の違いがとてもわかりやすく説明されていて、非常に参考になりました。
(あなたは資産と負債の違いを人に説明できますか?)
この本では「お金のために働く」のではなく、自分のために「お金に働いてもらう」という考えをインプットできます。
この本を読み終わったあと、あなたは「お金に動かされる」のではなく「お金を動かす」人の思考が理解できるはずです。
【ライティング系】
この本は、一般的な書店には売っておらず、ネット販売でしか手に入らない貴重な本です。
コピーライティングの本は世の中で溢れかえるほどありますが、迷ったらまずこの一冊を選べば問題ありません。
もしあなたが、
-
- 売れる商品と売れない商品の違いを知りたい。
- ヒットする広告と失敗に終わる広告の違いを知りたい。
- ライバルの商品が売れて自分の商品が売れない理由を知りたい。
- そもそも反応の取れる広告とは何か?を知りたい。
…といったことに興味があるなら本書の出番です。
なぜならこの本は数多くの実験結果から導かれた「どうすれば人間は行動を起こすのか?」という人間の行動心理を徹底的に解明した本だからです。
文章で商品を販売する人間にとって「顧客が何を考えて、どう行動するのか」ということを ”知っている” のは非常に重要です。
この本は、
-
- パワフルな広告、セールスレター、ウェブサイトの作り方
- あなたの言葉を人に信じさせる方法
- 人にレスポンスを返させる「ずるい」方法
- 「魔法のような」ヘッドラインを書くコツ
- 広告で絶対にやってはいけないこと
…などなど、あなたが何をどう売っていようとこうした「秘密」を学ぶことができる一冊になるはずです。
The Million Writing
なぜ ”その男” は誰に知られる事も無く、ひっそりと業界トップレベルの収入を稼ぎ続ける事ができたのか…。
その「秘密」を解き明かした一冊が本書です。
こちらの書籍も一般的な書店では手に入りません。
なぜなら、電子書籍でしか販売をしていないからです。
「本は電子書籍派」な人なら、迷わず買っておくべき良書です。
このコンテンツは、コピーライティングの濃厚エキスが凝縮されてできたコンテンツです。
ちなみに本書は、遠藤ユウが学生時代に美術史以外の授業でこっそり読んでいたもの。
そこら辺の大学のつまらない授業より人生に役立つスキルが学べる最強の電子書籍です。
先生、あの時は真面目に授業聞いてなくてごめんね。
反省はしてないです。
本書も一般的な書店では売っておらず、ネット販売でしか手に入らない貴重な本。
本のタイトル的にマーケティング本に見えるが原題は「Everybody write」。
つまり書くすべての人へ向けた本です。
本書は、
「ライティングは習慣であって、アートではない」
…と言い切ります。
ふと日常生活を振り返ってみれば、あなたもすでに自分が毎日「書く」という作業をしていることに気づくはずです。
電子メールを書き、FacebookやTwitter、Instagramに投稿していますよね?
あるいは好きなYouTuberの動画にコメントを書き込んでいるかもしれません。
そうした投稿のすべてがライティングであり、書かれたものすべてがコンテンツなのです。
特に芸術家的教育者が発信するコンテンツに関しては、あなたの活動への興味につながる記事を書かないと、ごみくず同然になってしまいます。
あなたへの興味につながる記事を書くための「64の法則」を知らなければ、どんなにコンテンツを増やしても、あなたの活動やサービスに興味を持ってもらうことは厳しいでしょう。
そのために本書があるのです。
この本は、広告やセールス向けのいわゆるコピーライティングというよりは、もっと文章全体について書かれたものです。
特に「出だしと結びの話」と「ストーリーの法則」は参考になりました。
あと最後にライティングに関する便利ツールを多数紹介してくれているのもありがたいですね。
本書は、58年間、アメリカの広告業界で伝説的コピーライターとして活躍し続けたジョン・ケープルズが、実証的かつ即効性のある「科学的広告」ノウハウを明かしたもの。
世界中のコピーライターたちに、88年以上読み継がれてきた伝説のバイブルです。
「現代広告の父」と呼ばれた広告人デイヴィッド・オグルヴィも本書で学び、
「この本は間違いなく、いままで1番役に立つ本だ」
…と絶賛しました。
コピーライティングを学ぶ人が全員持っている本です。
本書が一冊本棚にあって損することはないでしょう。
沈黙のwebライティング
Webサイトで成果を上げるための文章の書き方を、ストーリー形式で学ぶライティングの実用入門書。
SEOライティングの真髄を詰め込んだ一冊です。
集客できるメディアを作るには「どう書けばいいのか」をわかりやすく、そして楽しく学ぶことができるのが人気の理由ですね。
漫画で進んでいく展開は斬新で面白いし読みやすく、楽しみながらSEOライティングを学べるので、オススメです。
ストーリーは人間の脳の構造的にも、理解しやすく、記憶にも残るので、実は一番良い展開方法なんですよね。
本書の漫画ストーリーは馬鹿みたいだけど、SEOライティングの内容はしっかりしているのでご安心を。
ちなみに僕はエモーショナルライティングのところで爆笑しました。
考える技術・書く技術
本書は、マッキンゼーをはじめとする世界の主要コンサルティングファームでライティングのコースを教えるバーバラ・ミントが、独自の文書作成術を披露した本。
世界的なロジカルシンキング(論理的思考)ブームはこの一冊から始まったとされる、古典的名著でもあります。
論理的思考をベースに、序文で人の注意を引きつけるにはどうすればいいか、相手を説得するのにどんなロジックを用いればいいかというテクニックについて解説されています。
相手にわかりやすく伝えるための、論理的なライティングを学べる一冊ですね。
本書で語られる、ピラミッド構造はライティングのみならず、思考の枠組みとしても、絶対に理解しておくべき考え方です。
本書を【思考系】のカテゴリーに入れるか迷いましたが、僕はライティングの勉強のために読んだので【ライティング系】のカテゴリに入れました。
本棚に一冊は持っておきたい本ですね。
ただ、結構難しい内容の本なので、自身のない場合は入門本もあります。
→入門 考える技術・書く技術
※随時更新予定